第1章

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 人生においていったい何が一番大切なのか・・・。  それは現代を生きる人間にとっては命題とでもいうべき問題だろう。  ある人は夢だといった。  またある人は金だといった。  どこかの誰かが世界の中心で愛だと叫んだ。  道行く人が健康だとつぶやいた。  世界のどこかでかすかに平和だと聞こえた。  結局つまるところ、何が一番大切なのかは誰にもわからなかった。  それを見つけることこそが人生なのだと偉い人がいった。  そうなのかもしれない。  人生には無限の可能性があり、その人の目の前には無数の選択肢が広がっているのだろう。  その中から自分の生きていく意味を探していくという答えは、限りなく真実に近いものなのかもしれない。  かくいう私も中学生の頃にはその命題に直面し、夢だとか受験だとか恋だとかといろいろと悩まされたものである。  そんな私も紆余曲折を経てなんとか志望校に合格し、順風満帆とはいかないまでもそれなりに楽しく有意義な高校生活を送っていたのではないかと思う。
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