第1章

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スタジアムに着くと、早朝だというのに、イベントに出場する国それぞれの取材陣が建物周りでイベント前の現地の熱気を伝える準備をしていた 取り敢えずスタジアムの管理事務室に事情を説明すると程なく男性が現れる 「 初めまして。『 cof(コフ) 』のマネージャーの岩永です」 そう言って男性は、人懐こい笑顔と名刺を差し出す 「 初めまして。井上敦子です。」 「 通訳して頂けるそうで助かります。」 「 本業じゃないので、上手くできるか判りませんが宜しくお願いします。」 「 いやぁ、こちらこそウチみたいなデビュー間もないモノの無理を聞いて貰って申し訳ないです。」 「 あの、普段不勉強な上に急だったもので、そのこれからお会いする… 」 「 あ、 そうですよね。本当に出たばかりなんで、ご存知ないですよね。」 「 すみません。」 「 ウチの『 cof 』はメンバーが4人でして、去年デビューしたばかりなんです。今回のメインテーマのお仕事を頂けて、その分力が入ってしまったというか。なるべくスタッフと意思の疎通を図って良いパフォーマンスをしたいって事なんです。」 「 えぇ。」 「 あ、こちらです。この選手用のロッカールームを控え室代わりに貸して頂いてるんです。全員揃ってると思うので紹介します。」 そう言って岩永さんはある一室の扉を開けると中に入っていく それに続いて行くと、入り口から奥行きに懸けて距離がある長方形の部屋の真ん中に置かれたベンチに3人が座り、左手の個人用のスペースがある所に1人が寄り掛かっていた 「 紹介します。ベンチの手前に座ってるのがギターの葛西修で、その後ろがベースの五十嵐拓巳 隣がドラムの中野晴樹です。で、向こうがボーカルの高橋圭吾です。」 そう紹介されると、3人は立ち上がりもう1人もベンチの所へ寄ってきた
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