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愛のない結婚を繰り返し、近親結婚を繰り返し、ただ権力と名声欲しさに利用された王家の者。 ラムセス様は、今までのファラオとはひと味違う感じがしていた。 知略に長け、武将としての力もある。 金に対する欲もなく、人望も厚い。 親や家に頼るのではなく、自分の力でファラオの座を狙っている。 「なぁ、ネフェルタリ。」 「はい。」 「俺は王家の王子だ。いずれ、皇太子の座を兄弟と争い、ファラオの座を兄弟と争う。」 「はい。」 「その時に必要なものはなんだと思う?」 「必要なもの?」 「そうだ。」 王家には王家の困難な状況があると言う。 崩御した先代のファラオたちは、その権力争いに呑まれ、暗殺されたファラオもいると聞く。 少年王と呼ばれたツタンカーメン王も、毒殺ではないかと噂されていた。 つまり、エジプトでは誰にも気を許せない。 特に王家では。 国外にも国内にも、命を狙われるのだから。
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