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ラムセス様の心の中はきっと不安だらけだろう。 こうしてネフェルタリ様とお会いになるのも、心の安らぎを得るため。 「ラムセス様。わたくしは、ラムセス様のご心痛は計り知れませぬ。申し訳ございません。」 「…そうだろうな。謝らずともよい。」 「はい。…ラムセス様はそのままのラムセス様で良いかと存じます。」 「どういうことだ?」 「力もファラオには必要でしょう。強き力は弱き者を征していける。 しかし、上に立つものはそれだけでは長続きしないと思います。」 「……続けよ。」 「…人は人の心に惹かれるものでございます。あなた様のお持ちになる愛情こそ、民には必要なのです。」 「…心に…」 「他国には強き力が必要でしょう。しかし、民には愛情が必要なのです。 必要とあらば、あなた様は行動されるお方。必ずや、良きファラオに即位されます。」 「そう思ってくれるか?」 「はい。 知略はそちらのカエムワセトが。軍事攻略は軍の4師団が。殿(シンガリ)に控えるは、才知行動に長けたラムセス様が執り行うでしょう。 軍事に関してエジプトは安泰ですね。」 「……………」 「国民の心は王妃様にご指導願いませ。あなた様の妃になられるお方は、あなた様の愛を一心に受けられるでしょう。 そこから民へ注ぐ愛情を学び、心に惹かれる治世を治めれば良いのです。 ……出過ぎた物の言い方、ご無礼をお許しくださいませ。」
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