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「ネフェルタリ!ネフェルタリはおらぬか!」
「ラムセス様!お帰りなさいませ。」
「ムトナ。ただいま。ネフェルタリは?」
「ただ今、湯殿にて」
「ネフェルタリ!」
「お…お待ちを!ラムセス様!」
婚儀から三年、将軍となったラムセス様は、ただお一人の妃ネフェルタリ様に特別なまでの愛情を注いでおられた。
私は、ネフェルタリ様と一緒に、ネフェルタリ様付きの侍女として、ラムセス様のお屋敷に召される運びとなった。
王子殿下の屋敷で働くなど、この頃の侍女にとっては大出世である。
「ネフェルタリ!」
「きゃあ!!ラムセス様!!」
「一緒に入るぞ。」
「お恥ずかしい!出てって!」
「アハハ!何も恥ずかしがることはあるまい。毎晩毎夜、見てるではないか。」
「まぁ。あたかもわたくしがそれだけのための道具にすぎぬとおっしゃられるの?」
「…え?…いや、違うぞ。」
「そう申しておられるも同然でしょうに。」
「違う。…参ったな…ネフェルタリ?」
あたふたし始めたラムセス様が可愛らしく見え、思わず笑みが溢れる。
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