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『ムトナ。最近ね、ラムセス様が可愛いのよ。どうしたのかしら。』
『左様ですか。』
『からかうと、必死に取り繕う言葉を探すの。でもね、いつだって私の負け。
可愛くて、直ぐに折れちゃうの。』
ラムセス様不在の時、私は出来るだけネフェルタリ様のお側で時間を過ごすことが多い。
友として接して欲しいと願っている時は、良き友としてお相手するのが昔からの習慣。
大きな屋敷で過ごすのは寂しい。その思いが伝わってくる。
それが分かっているラムセス様は、屋敷にお戻りになると、こうして直ぐに駆け寄ってくるのだ。
「…ラムセス様ったら。そんなお顔、ずるいです。」
「何のことだ?」
「わたくしは怒ってるのですよ?ひどいって。」
「…飽きぬ奴だ。面白いか?」
「……………」
「ハハッ!そうか。面白いか。いつでも付き合ってやる。」
…でも、どうやらラムセス様の方が一枚上手。
すべてをご理解の上、ネフェルタリ様との時間を楽しんでいるご様子だ。
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