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『構わぬ。元はと言えば、俺が木の上で寝てたのが悪いんだ。…お前も罰することはしないから(おもて)を上げよ。』 貴族に対する無礼な振る舞いは、極刑と決まっていた。 だが、このお方は許してくれた。 『……………』 と、急に黙り込んだ殿方。 顔は伏せつつ、目だけで確認すると、ネフェルタリ様にお目を奪われているご様子。 そうだろう。 ネフェルタリ様は、優れた美貌の持ち主ゆえ"愛らしき者"の意味を持つネフェルタリと名付けられた。 『…娘、お前の名前は?』 『ネフェルタリと申します。』 『ネフェルタリ…そうか。俺はラムセス。』 『ラムセス…様…?…お…王子殿下!!』 『はっはっはっ!』 ネフェルタリ様は、ここで初めて目の前の方が王家の者であることを認識された。
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