1

6/13
前へ
/472ページ
次へ
「ネフェルタリ!コラ!このおてんば娘!」 「きゃあ!ラムセス様!いつの間に!」 「今来たところだ。元気にしていたか?」 「はい。戦勝、おめでとうございます。ご無事で何よりです。」 「ああ。ありがとう。」 笑顔いっぱいのネフェルタリ様。 14歳になって軍を纏めるまでに成長されたラムセス様は、戦の度に最前線に立っている。 そのご帰還は、ネフェルタリ様にとって涙を流すほどのこと。 「…ムトナ。少し遠出がしたい。」 「はっ。どちらへ?」 「知らん。」 「…は?」 「とにかくどこでもいいんだ!行きたい。」 「…畏まりました。ご用意致します。少々お待ちくださいませ。」 「ああ。馬も引け。」 こういうところは、ラムセス様の横暴なところであり、愛情でもある。 長期に渡り、寂しい思いをさせてしまった謝意を行動で表す。 二人の時間を大切にされる。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

952人が本棚に入れています
本棚に追加