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ラムセス様はネフェルタリ様を本当に愛してくださっている。 お二人を見ていると、いい雰囲気にこちらまで優しい気持ちになる。 「…ムトナ。」 「カエムワセト様。」 「お互い、あのお二人の側近は疲れますね。どこにいかれるか分かりゃしない。」 「でも、ラムセス様とカエムワセト様がご一緒だからこそ、ネフェルタリ様もわたくしも安心なのでございます。 カエムワセト様も、戦、お疲れさまでございました。ご無事で何よりです。」 「ありがとう。…さ、我々も行こうか。」 「はい。」 カエムワセト様はラムセス様の腹心の部下。 後に賢者カエムワセトを攻略出来ねば、ラムセスは倒れぬと言われるほど、エジプト第19王朝でなくてはならない人である。 「ネフェルタリ様。お召し替えを。」 「…え?…あ、そうか。馬に乗るものね。ラムセス様、少々お時間を頂いて宜しいでしょうか。」 「よい。」 「ありがとうございます。ムトナ、行きましょう。」 「違う。召し替えずともよいと言っている。」 そう言うと、ネフェルタリ様を抱いて同じ馬に乗せられたラムセス様。 それを見て呆れ顔のカエムワセト様が可笑しくて、クスクス笑ってしまった。
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