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カエムワセト様や私がいようと関係なく、ラムセス様とネフェルタリ様はお二人の世界に入る。 お互い以外、誰もいない。 お互い以外、見れない。 触れて、 愛を語らい、 キスをして、 思いを確認。 「ラムセス様…お会いしたかったです…」 「俺もだ。やっと戻れた。」 「傷など召されませんでしたか?」 「少々の傷など、戦いには付き物だ。」 「わたくしは、夜も眠れませんでした。心配で心配で…生きてご帰還されて…涙が止まりませんでした…」 「…そんなに?」 「え?」 「そんなに俺が恋しかった?」 「やだ…ラムセス様!」 「ほら。言って。ネフェルタリ。」 「…はい。恋しかった…」 「俺もだ。お前が待っていると思って、必死で戦った。父上が考えていた以上の早さで戦勝を掴んだんだ。」 「本当ですか?」 「ああ。俺には…お前だけだ。」 このエジプトに、ここまで愛を語り合う王家の者がいるだろうか。
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