ヤッホー☆神様です

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一番最初に目に飛び込んで来たのは、元の形が分からなくなる程デコられ過ぎて光を乱反射している照明器具だと推測される物。 「万年発情期かなんかなのか?部屋中ピンク一色っていうのは男じゃなくても引くぞ」 「ピンクは可愛い女の子のイメージカラーだから部屋中にあしらってもいいの」 「あしらうの域を超越してるので単語から学び直してこい」 「あなたは女の子の扱い方を学び直してきた方がいいと思うわ」 このままいくと話が脱線しまくって大事故になりかねない。 ミラーボール顔負けの乱反射で部屋中を照らす照明器具から目線を下へずらす。 「肌の色がアクセントですか。流行るのは何世紀後の予定で?」 レースやフリルがふわりと揺れるゴシック調のワンピースに身を包んだ10歳前後の少女。部屋と同化して危うく見過ごすところだった。そう、目の前の少女もピンクなのだ。部屋と同じ、赤と白の絵の具を同じ割合で混ぜたような見事なピンク色。色の組み合わせによるデザイン?ナニソレオイシイノ?とでも言う様に身に着けているもの全てピンク一色。ワンピースの生地やレース、ボタンや靴の留め具に至るまでピンク色。そんな中で白い肌が異様に目立っていた。赤い髪と合わせて肌が見えてなければ確実に気付かなかった。 「今現在私の世界で絶賛流行中よ」 腰に手を当て無い胸を張り、得意げに鼻を鳴らされる。 「ピンクしかない世界か……。随分と目に優しくない世界だな」 人々は皆ピンクの衣服に身を包み、町の建物から街灯、舗装された道路に至るまで全てがピンク。草木までピンクだったら5秒で発狂する自信がある。 「私の世界って、まるで自分の物のような言い方だな」 「うん。だって今からあなたが行く世界の管理してるのわたしだもん」 腕を組み、さらに得意げになって言われる。
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