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破壊された扉の向こうには水に濡れて呆然なと立ちすくむ、いかにも怪しい人ですというような黒ずくめの集団がいた。
集団の足下には人が一人は入れそうなサイズの木箱が置かれていた。
今回の依頼で回収するように頼まれた品だ。
「て、て、て、て、敵襲だァァァッ!?」
集団の中にいた一人が我に返り、叫ぶと他の黒ずくめが慌てて武器を構え始めた。
何だこいつら、素人か?
銃火器など構えるのを見て黒ずくめ集団にはEクラスの超能力者かよくてDクラス超能力者しかいないようだ。
「このぐらい、一人で片付けられな。」
俺は指を鳴らす。
それと同時に黒ずくめの集団が銃火器を乱射する。
殺意がこもった銃弾が俺に殺到するが倉庫の水たまりから立ち上がる水柱ご弾を無力化する。
「ここから俺のターンだ。」
いくら銃火器を乱射しても水柱が防いで慌てている黒ずくめに手をかざす。
「悪という汚れは流し出すのに限る。」
轟っと音と共に倉庫の入口から津波が流れ込み、黒ずくめの集団を倉庫の外、つまり海へと引きずり込んだ。
俺は海に戻る津波に流されそうになった木箱を回収した。
俺は倉庫の外に出て、回収した木箱をあらかじめ手配した黒塗りワゴン車に積み込む。
「さて、帰るかな。」
「待てやコラッ。」
ワゴン車に乗ろうとしたら白スーツでオールバックの、いかにもかたぎの男に絡まれた。
うわぁっ、なんか面倒くさいやつに絡まれたな。
「うちのもんに手を出すとはいい度胸だな。」
白スーツの周辺に六角形の金属が無数に現れ、体に纏わりつき銀色の鎧となった。
白スーツの顔に覆い被さる面頬。
装甲の隙間から覗く瞳に憤怒の火が燃えている。
「Bクラスの能力者か………幹部か?」
俺は能力を発動させる。
雨粒を白スーツの周り囲う針の群れを作り出す。
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