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戦争なんて経験したことのない、情報が飛び交う世界に生まれた俺。中村健太郎、20歳。今年の4月から大学3年になる(今は1月なのだが)。
俺は中学の恩師に憧れ、教育の道へ進んだ。しかし、実習中のハプニングがトラウマとなってしまった。そんな中、来週から期末がある。
「おい、大丈夫か?」
「え、おぉ、順一。テストが余裕なわけねーだろ…。」
「ちげーよ、体調だよ。お前、俺が分からねーと思ってんのか?」
「あ…すまん、正直だりぃ。けど、お前もだろ。」
「あぁ。」
小野坂順一。幼なじみであり、親友だ。高校は違ったが、幼・小・中・大と一緒だ。性格が正反対でよく人に「なんでお前ら、仲良いんだ?」と言われるが、俺らも不思議である。
ハプニングから1ヵ月近くになるのに、それはまだ夢に出てきて、俺は安眠できない。
その上、この時期だ、体調は最悪である。
「美貴もマスクしてたよな。」
「あぁ、気になんのか。風邪だってよ。」
「そうか…。」
俺の今の気になる奴、櫻井美貴。音楽サークルで知り合ったからか、気が合う。だが、美貴にはどうやら彼氏がいるとのウワサである。
――なぜ人は人を好きになってしまうのだろう…
あの日、もう誰も好きにならないと思っていたのに…――
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