第1章 第一話 始まり

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ちょうど日付が変わった頃 正座を始めて約三時間 「なあ、颯季」 「なんだい、頭領?」 「ものは相談なんだが?」 「却下だ」 「なんでだ!せめて用件くらい聞けよ」 「大方、運搬をやってくれとかだろ?」 「そうだが…それにお前の魔法はそれ向きだろ?」 「適材適所というやつか…いいだろう」 「本当か!助かる」 「その代わり、帰ったら、飯奢れ」 「交渉成立だな」 あら、真面目なお仕事のお話 ふざけていてもお仕事はしっかりする 真面目なんだか不真面目なんだか 「なんか馬鹿にされている気がする」 「同感だ、私達は真面目にふざけているだけだ!」 「なお、悪いわ!それに一緒にするな!」 真面目タイムは15分持ちませんでした さらに二時間 正座して5時間くらい 「「暇だな…」」 「しりとりでもするか」 「頭領、あんた二人でしりとりしても楽しいか?」 「おまっ!会話のキャッチボールしよーぜ!暇なんだから」 「会話のキャッチボール?これまで私に会話のキャッチボールをしたことがあったか?言うなれば会話のドッジボールだな」 「否定ができない」 「自分で言っていて悲しくなったのだが?」 「それはお前が悪い」 颯季くんの扱いを再確認しただけでした そして颯季くんはこう思った (またこんな事があったら、頭領を道連れにしよう) それから三時間 正座して大体8時間 「足がやばい」 迅は足が痺れているみたい 颯季くんは? 「グースカピー」 何と眠っています 「こいつ寝てやがる、正座したまま、やべーよ、このままだと俺寝れねーよ、というか座ったまま寝れねーよ、なんでこいつは寝てやがるんだよ~」 空が明るくなってきた 清々しい朝が来る 寝不足の一日の始まりだ
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