第一章第二話 導入

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「颯季がいないと静かで、楽だな」 「まったくあの人も静に出来ないのでしょうか?」 「まるでマグロでござるな」 「誰が寿司ネタか!」 三人は一斉に振り向く 「静かな時間は終わりでござるか…」 「平和な時間くらいゆっくりしたい」 「平穏なんてなかったのか…」 ひどい言われようである 「皆ひどいな、そんな扱いだと泣くぞ? 啜り泣くぞ?号泣するぞ?見たいか?男の全力の泣きを、見苦しいぞ?」 「「「遠慮(する)(します)(するでござる)」」」 「おっけーならば見るがいい全力の泣きを!」 しばしお待ちを 「すっきりしたか?」 「心に大穴が空いた気分だ」 「こちらは、全力で距離を取りたいです」 「右に同じ」 「そのネタは前にやったから、もういいよ」 「誰ですか?話しかけないでください」 「もう嫌だ、グレてやるからな!」 三角座りで地面にのの字を書き始める颯季 まったくもって自業自得である しかたないね! 「ところでそなた、いつからいたでござるか?」 「まるでマグロでござるなってところから」 律儀に答える颯季 拗ねていたのではなかったのか? そんなものは問題ではない 「さっきじゃねーか!」 「こういう時は会話の最初からいたって言うのが、定番なのでは?」 「そんなことが出来たら置いていかれないと思うのだが?」 「見つけてすぐに会話に入るとは、なかなか真似できないでござるな」 「千裏さん突っ込み所はそこじゃないです」 そんなことを言っていたら 村の入り口が見えてきた
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