第1章 第一話 始まり

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「そう言えば、頭領他の二人は?」 「おまえの掴んだ足の数は?」 「一人分だが?」 「それが答えだ」 「把握したよ」 大分歩いたような気がする、出口はまだ見えない 「おい、颯季迷った」 「説教はなしだな」 これ見よがしにドヤ顔をする 「ちくせう」 こいつら余裕だな、とか思ったやつ挙手 人間まじでやばいと一周回って余裕に見える 実際はかなりやばい それは頭領もそうらしく、お互い嫌な汗が止まらない 「はっはっは~(×2)」 少しの間の沈黙 「だから聞いただろ!こっちで大丈夫か?って!」 「おまえも仕方がないって言っただろ!」 「それは駄目だったら頭領のせいにすればいいかな?って思ってただけだよ!」 「やっぱりひでぇ!だから迷うんだよ!」 「責任転嫁するんじゃねぇ!私は頭領についてきただけだ!自分の選択くらい責任持てよ!」 「おまえ何も考えてねーだろ!俺だけのせいじゃねーだろ」 不毛な争いをしているとなにやら招かれざる客が ここで皆様に質問がある 問一、ここは何処? 答え、アントエイプの巣穴 問二、そんな所で騒いだらどうなる? 答え、騒音に気付いた猿がやってくる 問三、つまり迅の選択は? 答え、間違いだった あとは皆様の想像の通り 囲まれている最低でも5匹はいる そんな事は言い争いをしてる二人は気が付かない 「いいや!頭領のせいだ!間違いは認めるべきだ!」 「おまえそれブーメランだぞ!さっきのおまえの言葉を思い出せ!」 「そんなものは知らん忘れた」 「都合のいい記憶力してんなおまえ」 「誉めるな」 全くもって不毛である 緊張感なんてものはここにはなかった 「誉めてねーよ!馬鹿!」 「馬鹿なんてなにを今更」 「開きなおるな!」 この言葉を合図に隠れていた猿のうち二匹が跳びかかった 「キィィヤァァァ」 のだが 「「うるせぇよクソ猿が!」」 跳びかかった猿は跳んできた方へ蹴り飛ばされた 「畜生、結局間違えてたんじゃねーか、クソ」 「そんな事言ってる暇はなさそうだ」 迅は腰の刀を引き抜き、颯季何も無いところから弓を取り出し迅の後ろにさがる 蹴られていない猿のうち2匹が襲いかかってきた 迅は刀で1匹を斬り払い、颯季は弓を引き絞り矢を放つ 「これであと3匹」
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