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「元気なんだって
テレビで見て知って、
どれだけ安心したか。
あなた、どれだけみんなに
愛されてたか、
全然判ってない」
「……この期に及んで他人の話か。
うんざりするな」
「……え?」
「そこに、お前はいねえのかよ」
「……」
「お前は心配しなかったんだろ。
安心も。
……ましてや、愛しても」
「そ、そんなこと言ってない」
TAKUMIは立ち上がり、
あたしのバッグを
そっとテーブルに置いた。
そうして背を向けると、
さっきの椅子をもう一度蹴り飛ばす。
ガチャンとパイプの軋む音がして、
ビクッと身を竦めた。
「──だったら、お前の話をしろ!
お前の思ってること、
お前の言葉で!」
「……拓海さ……」
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