#.03 再会

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 1  ――20XX年 1月7日。  一面鮮やかな赤い屋根の並ぶ街に、午後4時きっかりの刻限を報せる鐘が響く。 「そろそろ行かないと」  玄関先で、鈴の音にも似た軽やかな声が飛ぶ。 「あぁ、今行く」  シャツの襟を弄りながら、彼は低くもよく通る声で応え、玄関へと向かう。その途中、今ではあまり見なくなった写真立てにぴたりと歩みを止めた。  思い返すように戸棚の上に飾られた写真を見やり、ぽつりごちる。 「しっかし、あいつらに会うのも久し振りだな」 「ほんと……」  これまでのことを振り返り、そしてこれから会う彼らに思いを馳せているのだろうか。  写真を見つめる彼女の茶色い瞳には、喜びと共にわずかな悲哀の色が窺えた。 「たった3年だけど、懐かしいよね」  淡く頬を染め小首を傾げる彼女は、出会った時とほとんど変わらぬ屈託のない笑みを浮かべる。  
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