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第四部‐*《アスタリスク》‐
「滑稽だ。人間というものは」
暗がりの中で、ガラス張りの向こう側を見つめながら男は独りごちた。
「そう。けれど、私たちも彼らと同じ。彼らの欲望から造り出された」
彼の傍らに立つ人物は無感動に淡々とそう言い、暗がりの先に視線を送る。
眼前ではいくつもの泡沫が吐き出され、男はそれを見て参ったと笑う。
「確かに、そのとおりだったね。――スパイン」
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