第七章

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綾… どうすれば、キミを手離さずにすんだのだろう… 去っていく彼女の背中を見つめ、問いかける。 視界から消えていく姿に何も出来ず、見つめたまま… さっきまで綾が座っていた、ベンチに腰かける。 夜の海を真っ直ぐ見ながら、泣いていた彼女… 再会して、改めて感じた… 愛しい… 綾が好きだ 未練と言われようが、誤魔化しきれない、自分の気持ち。 転びそうになった彼女を抱き締めた時、理性なんて吹き飛びそうだった。 そう、この手で抱き締めた… いつの間にか、てのひらに爪のあとがつくくらい、握りしめていた。
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