第七章

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「いやぁー すまないね」 高級料亭で名高い『よしの』 手入れされた庭が見える個室で、貫禄のある太った狸が薄ら笑いを浮かべてる。 不動産を手広くやっている、清和グループの清田社長だ。 となりには、そこまでしなくてもいいんじゃねぇの?と、言いたくなるほどの、厚化粧の女。 「お待たせして申し訳ありません」 約束の15分前だが、相手が先に着いているため、必然的にそんな挨拶をする。 「まぁ、座ってください」 すすめられて、社長の向かいに座った。 斜めからの女の視線が、気になる。
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