第八章

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浅倉くんの腕がゆるむ。 それを見逃さなかった、私。 さっと、囲いの中から逃げる。 浅倉くんの世界から脱したら、声の主が分かった。 入口に立っていたのは、営業部の富田部長だった。 「大丈夫か?徳永」 「大丈夫です」 心配そうな顔… コウの上司で、私達が付き合っていたことも、知っている。 大学の時の先輩後輩で、よくコウと、飲みにいっていた。 だからか、私にも声をかけてくれている。
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