第八章

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「それを言いにきたんですか?」 やっとのことで、喉から声を絞りだす。 動揺していないというけれど、そう見えるだけ。 「ん~、それだけじゃないの」 横に置いていた高そうなバッグから、雑誌を取り出す。 「ほら、見て。 ここ。 よく、撮れているでしょ?」 目の前のテーブルに、広げられたページ。 『セレブのランデブー』という文字は、写真を物語っていた。 コウの腕にしがみつく彼女。 仕事中なのに、お構い無しに、くだらないことを伝えにくる、この清田さん…だ。
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