第八章

24/38
前へ
/293ページ
次へ
「あの雑誌、見た?」 「見た、見た~」 「鷹野課長って、社長になってたんだー」 「凄いな~」 女子社員が集まれば、噂話に花が咲く。 「徳永さん、かわいそうー」 心から、かわいそうと、思ってないくせに。 毒づいたところで、誰も真実を知らない。 「捨てられたんだー」 「二股だったのかも!?」 「えー、やだぁ」 私が通り過ぎてもやめようとしない。 これが、何度も続く。 「あんなの、ほっときなさいよ!」 望は、そう言うが、噂は、簡単に消えない。 人の不幸は、何とやら…だ。
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加