第八章

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私の右手を自分の腰に絡ませる。 そして、コウの左手は、私の背中。 「コウ…」 離して、そう言いたいのに、この腕の中があまりにも気持ちよすぎて、躊躇ってしまう… 「コウ」 甘えては、いけない。 もう一人の私が、律する。 「離し」 「離さない。 オレ達…やりなおさないか…」 ドキッ 抱きしめられたまま、言うなんて、ズルいよ。 ギュッと、心臓が掴まれたみたい。 嬉しいけど、この胸に飛び込めない理由があった。
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