第八章

37/38
前へ
/293ページ
次へ
何でもないフリをするが、心は張り裂けそうに痛いまま… それを、心の奥底に押し込め、浮き上がって来ないように、フタをする。 コウの胸を両手で押して、二人の間に隙間を作る。 強がって、笑顔を見せるのは、本音を漏らさないため。 「コウが、手を抜いて仕事出来るようになったら、考えるわ」 立ち上がって、にっこり笑う。 コウの記憶の中の私が、笑顔でありますように。 「離さない」 その言葉を宝物にして、別れを告げよう。
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加