第九章

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何言ってんだよ!! 「夢なわけないだろ!!」 夢だったら、そんな、涙、流すかよ… パッと、飛び起きる。 上半身だけ起こして、目線を彼女に合わせる。 やっぱり、夢じゃない。 こんなに、そばに彼女がいるのだから。 右手で綾の頬を包む。 親指を滑らせて、目尻にたまった涙を指で拭った。 綾… オレ勘違いしてもいいのかな? 白い病室の中で二人… ここに来てくれているということは… 自分の都合のいいように、 考えてもバチは当たらないよな。 細い手首を乱暴に引っ張る。
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