第九章

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「末次さん! 教えてください。 綾…徳永さんの連絡先を」 「社長っ! 何言ってるんですか? 私は何も知りませんが?」 末次さんが知らないはずはない。 冷静に返す言葉が、冷徹に聞こえる。 「好きな人が出来た、と言って、別れを告げられました。 でも、諦めきれない。 それに…別れた男の元に来るでしょうか? 倒れた、と言うだけで…」 「さぁ? たまたま、同じ病院に、知り合いが入院していた…とか?」 それは、ない。 オレが入院していたのは、特別室のフロアだし、あの時は、オレしかいなかった。
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