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なかなか口を割らない、末次さん。
まぁ、一筋縄でいかないと、分かっていたけど。
「会わせてもらえませんか?
綾に…
話さなくてもいい、遠くから眺めるだけでも、いいから…」
懇願して、膝を床につける。
なりふりかまってられない。
綾に会えるなら、格好悪いことだって、なんだって出来る。
「お願いします、末次さん」
いわゆる、土下座。
社長室の絨毯に沈む、手のひら。
何やってんだろうな、オレ。
けれど、もう、これぐらいしか、方法がない。
普通にやりとりしても、らちがあかない。
それだけ、末次さんは、うわてということだ。
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