第九章

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誠心誠意、頼むしかない。 頭を床にこすりつける。 「グループの上に立つ、人の上に立つ、大会社の社長は、そんなことをしてはいけません」 顔を、おあげください、と、目の前に座り込み、オレの肩を持ち上げる。 目を合わせたら、困った顔。 普段、無表情なだけに、本当に困っている。 「簡単に頭を床につけないで…ください たかが、女のことで…」 「あなたにとって、たかが女かもしれませんが、オレにとっては、大切な女【ヒト】です」
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