第九章

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末次さんは、スーツのポケットからスマホを取り出すと、タップし始める。 「社長は、黙っておいてくださいね」 しっー と、人差し指を唇の真ん中に立てている。 「もしもし、末次です。 今、よろしいでしょうか?」 相手は誰? なぜ、オレの目の前で電話? 普通だったら、そんなことをしない末次さんに、違和感を感じる。 「今週、会えませんか?」 おいおい… デートの誘いなら、仕事終わってからにしろよ。 あきれたオレの耳に信じられない言葉が、飛び込んでくる。
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