第九章

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翌日、宣言通り7時までに仕事を終わらせて、駅裏のカフェへと急ぐ。 30分前に着いたのは、隠れて聞く席を確保したかったからだ。 カフェは、会社帰りのサラリーマンで賑わっていたが、店の雰囲気は良かった。 薄暗く、ジャズが静かに流れている。 これなら、彼女に気づかれないだろう。 眼鏡に、マスクという、定番の変装スタイルで、末次さんと背中合わせに座る。 もちろん、その間には、観葉植物の大きな鉢がオレの存在を隠してくれる。 背中越しに、末次さんからの注意が聞こえる。
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