第九章

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「謝らなくても…時間通りですから…」 そう、綾は、いつも待ち合わせの時は、遅れたことがない。 時間の5分前までには、必ず来ていた。 「で、コウ… いえ、鷹野社長の御容態は?」 勢い込んで聞く彼女。 『鷹野社長』か… 社長になって、こんな悲しいことは、ないな… 背後から聞こえてきた言葉が刺さる。 「まぁまぁ」 そんなに急かさなくても…と、末次さんがたしなめる。 ちょうど、そこに店員が注文をとりにきた。 コーヒーを頼むと、水を飲み、少し落ち着いたようだった。
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