第九章

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「社長、どうなされますか?」 後ろを向いて、オレの指示を待つ。 「これからって、言う時になんでだよ」 頭を抱えてテーブルに、突っ伏した。 日本にいれば、よりを戻すことの可能性があったかもしれない。 いや、違う。 そうじゃない。 オレは彼女が欲しい… どこに、いようが関係ない。 「末次さん、仕事も彼女も両方とりにいきます」 オレの決意に、眼鏡の奥の目が優しくひかる。 「私の出来ることなら、なんでも言ってください」 「まず、明日、仕事の調整をお願いします」 胸ポケットから、オレは携帯を取り出し、なつかしい人の番号を、呼び出した。 「もしもし、オレです…」 .
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