第十章

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「浅倉くんっ! 来てくれたの? ありがとう」 「半休ですが、有休取ったので。 遊びに行きます。 向こうの観光地、案内してくださいね」 「うん、望も、遊びにきてね」 「あや~」 涙をためて、抱きついてきた望。 「ね、また、会えるし。 電話もメールもあるんだから…」 慰めになっているような、なっていないような… 「オレも、メールしまくって、徳永さんの心を掴みます!!」 「浅倉くん、私のことは、忘れていいからねー」 「そんなぁ~徳永さん、ひどいっすよー」 情けない顔をした浅倉くんを見て、望と二人笑ってしまった。 この二人のおかげで、別れが湿っぽくならずにすんだことは、ありがたかった
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