第十章

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「行くな!! なんて、言わない… 綾が…決めたことだから… でも、帰ってくるのは、オレの元に帰ってきて」 「コウ…」 必死に懇願するあなた…だからこそ… 「コウ… いつ、帰ってくるのか、分からないの。 だからこそ、私のことを忘れて…」 穏やかに、演技が出来ただろうか…? 震える声を悟られないようにするだけで、精一杯。 誰が、好きな人に自分のことを忘れて…と、頼むのだろうか… 待っていて欲しくなんかなかった。 相応しい人に、きっと出会えるよ。 私が、向こうに行っている間に…
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