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ぎゅっと、抱き締められたと思ったら、耳元で、囁かれた。
「えっ?」
ただただ、驚きで、目を見張るばかり。
『帰ってきたら、結婚しよう。
だから、オレのところに帰ってきて』
ぷ、プロポーズ!?
「本気だから」
腕の中から、見上げた彼の顔は、少し、赤くなっていたようだ。
「さぁ、いってらっしゃい」
抱き締められた腕を、名残惜しそうにほどくと、背中をゆっくりと、押してくる。
彼の優しさが、胸に込み上げてくる。
「いって…き…ます」
つまりながら、言った一言は、彼には分かったはず。
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