第十章

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了解の意味を込めて、首を縦に振る。 「彼女が、日本から遊びにくるんだよ」 目を細めて、うれしそうに話す、富田部長。 遠距離恋愛ですもんね。 「彼女って、いうと、富田部長の営業事務やってた人、ですよね?」 「そうそう。 会社は、もう、辞めたんだけどね」 「え?寿退社ですか?」 控えめな彼女のことを、思い出した。 「違う違う。 彼女は、自分の夢を追いかけて、辞めたんだ」 「夢?」 「ファイナンシャルプランナーになったんだ。 まだ、見習いだけどね」
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