第十章

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「で、頼みというのは、その彼女を 明日、空港まで迎えに行って欲しいんだ」 「えっ?」 「オレが行きたかったんだけど、工場の担当者と打ち合わせが入ったから」 「いいですよ。 部長の彼女、迎えに行ってきます。 ついでに、二人だけの時の、部長の様子なんか、聞いちゃおうっと」 「変わらないと思うけどなあ」 ついでに、仲良くなってしまおう。 二、三度会ったことがある彼女を思い出す。 「10時20分の飛行機な」 「分かりました」 私のその言葉を聞いた部長が、ニヤリと笑っていたのを、気付かなかった。
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