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社長室に入って、二人きりになると、末次さんが心配そうに聞いてきた。
顔に出してないつもりだが…
愛想笑いは、するが、基本的に無表情なオレ。
心情を顔に出さない、いや、出しにくいが、何も言わず分かってくれる人が、二人いる。
秘書という職業柄なのか…それとも、気遣いの出来る人だからだろうか…
末次さんともう一人…
今日は、なぜか、彼女のことばかり、考えているな…
「社長…?」
「いえ、今朝の会議の内容を考えていただけです」
「そう、ですか…
てっきり、忘れたいことを思い出されたのかなぁと…」
眼鏡の奥の切れ長の目。
するどいなぁ…
なんでも、お見通しなのかもしれない…
この、優秀な秘書にとっては…
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