第二章

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社長室に入って、二人きりになると、末次さんが心配そうに聞いてきた。 顔に出してないつもりだが… 愛想笑いは、するが、基本的に無表情なオレ。 心情を顔に出さない、いや、出しにくいが、何も言わず分かってくれる人が、二人いる。 秘書という職業柄なのか…それとも、気遣いの出来る人だからだろうか… 末次さんともう一人… 今日は、なぜか、彼女のことばかり、考えているな… 「社長…?」 「いえ、今朝の会議の内容を考えていただけです」 「そう、ですか… てっきり、忘れたいことを思い出されたのかなぁと…」 眼鏡の奥の切れ長の目。 するどいなぁ… なんでも、お見通しなのかもしれない… この、優秀な秘書にとっては…
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