第十章

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「優しいね。 私には、もったいないな」 自嘲気味につぶやく。 「もったいなくても何でも、綾はオレのもの。 興味ねぇもん、綾以外には」 はぁー? キッパリと、言われて顔が真っ赤になってゆく。 「だから、私には好きな人が出来たって言ったでしょ」 「あー、それ、無効だから」 「は? だって、それで、別れたじゃない」 そうだ。 いくら、空港で抱き締められたとしても。 誕生石の指輪をもらっていても。 そもそも、別れていたんだよね?
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