第十章

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「帰さない… 帰したくない」 ベッドへ沈んだ私の目の前に、彼の真剣なまなざし。 両手をついて、私を、見下ろしている。 彼の世界に、閉じ込められる。 優しい檻の中… 顔が近付いてくる。 大好きな優しい笑顔で。 触れるだけのキスを何度も繰り返す。 そのうち、無理矢理こじ開けられたところから、侵入してくる舌に翻弄される。 追いかけられ、弄ばれ、なぞられる。 ぞくぞくとした感覚が、背中から上がってくる。
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