第三章

2/9

180人が本棚に入れています
本棚に追加
/293ページ
「綾っ、どーしたのっ? そのあたまっ!!」 クリスマス近い寒い朝。 吐く息が白くなっている。 駅から、会社へ続く道。 前を歩いていた、親友、東山 望 【ヒガシヤマ ノゾミ】 に、 「おはよー」 そう、声をかけた途端! 振り向きざまに、キャーっという望の声。 そして、 「そのあたま」発言… いや…髪の毛なんですけど… 私、徳永 綾【トクナガ アヤ】の 顔をジーっと、見つめていた望が一言。 「お昼、聞かせてもらうからね!!」 そう言って一緒に、会社に入ってゆく。 私の髪… 腰まであった長い髪。 それを、バッサリ、肩に付かないくらいに切った。 失恋… そんな、なま易しいものじゃない 失恋…の、ほうがよかったのかもしれない… .
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加