第三章

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さぁ…いいなさいよ… と、いうがごとく、顔を近づけてくる。 「あのね… コウ…鷹野さんと、別れたの…」 「えっ…」 「えーっ!!」 え? 望の驚きの声に、誰かがかぶせてきた。 「あ、浅倉くん…」 私たちが座っている席の後ろから、ずいっと、身を乗り出してきた。 今の話を、聞いていたのね 「あ~さ~く~ら~」 望が、ギロッと、浅倉くんを、にらみつける。 「浅倉、盗み聞きは、よくないよ」 望がたしなめる。 本人は、すみません…と、いいつつも、ペロッと、舌を出し 「盗み聞きじゃなくて、聞こえてきたんですよ」 と、首をすくめて答えている。 浅倉 くん… 企画部のアイドル… 甘いマスクで、面白い、私より二歳年下… 入りたての頃、私が一から教えていた。 今は、一人立ちして、バリバリ企画を出している。
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