第三章

7/9

180人が本棚に入れています
本棚に追加
/293ページ
あ、浅倉くん…スルドイ…なぁ~ 「まぁ、いろいろあってね…」 ごまかす私。 理由なんて、一言で片付けられない。 こうすることが、一番と考えて別れたから、後悔は、していない。 コウ…鷹野課長と、付き合っていたのは、会社のみんなが知っていた。 Start!【スタート】の、一社員だった、その課長が、いきなり大会社の社長になるなんて… 将来の社長婦人と、ささやかれていたり…うらやましい、と、直接言ってくる人もいた。 だけど…私は違った。 「よく、課長が手離しましたね」 浅倉くんが不思議そうに、つぶやいた。 「綾…あんた、それで、いいの? あんたのことだから、課長と釣り合わない、とか、考えて身を引いたんじゃないの?」 私が答える前に、 「もう、昼休み終わりだから、 今日、ゆっくり聞かせてもらうわよ」 と、定時で終わる約束をさせられてしまった。 もう、終わったことなのに… 小さくタメ息をついたのを、隣を歩く浅倉くんに見られてしまった。 「僕ももちろん、一緒に行きますね~」 なんで、もちろん、なのか分からない…
/293ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加