第三章

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「定時に会社のエントランスで。会社近くの居酒屋にいくからって… 東山さんから、メールきました」 新しい文房具の部内コンペの、打ち合わせ中。 意見を言い合うために、雑談している。 隣に座った、浅倉くんが、話しかけてくる。 「なんで、私のところにメールこないで、浅倉くんにメールしてんのよ、望のヤツ!!」 望は、同じ企画部だが、今、別商品の開発中なので、この打ち合わせには、いない。 「直接、徳永さんにメールしたら無視して、逃げられると思ったんじゃないですかねー?」 確かに…逃げようと、思ってたわよ。 「俺に、徳永さんを連れてきてくれって…言われました」 悪魔め~ 悪魔に魂を売った浅倉くんは、他の女の子がキャーと言いそうな微笑みを向けてくる。 「人の別れ話聞いて、何が楽しいのかしら?」 やっと、ここまで、髪を切るまで、立ち直ったというのに… 「別れ話なんて、どうでも、いいんです ただ、東山さんも俺も… 徳永さんに、つらいことを、吐き出して欲しいから」
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