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「末次さん、これから遅くなる時は、オレに構わず帰ってください」
車で送ってもらいながら、こんなことを言ってしまう…。
「いえ…私は、社長のお体が心配なんです」
眉尻を少し下げて言っているのが、ルームミラー越しに見えた。
「心配かけて、すみません…」
思わず、頭を下げる。
そうしているうちに、マンションに着いた。
「では、明日、8時にお迎えにあがります」
「自分で行くので、迎えはいいですよ」
社長になってから、何度も言った言葉。
秘書のいる生活に、いまだに、慣れない。
自分でできることは、自分でするつもり。
期せずして、社長になった、といえども。
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