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いろんな仕事が立て込んでいて、なかなか動けなかった…
徳永綾に関する調査資料を見てから、気がつくと、一ヶ月がたっていた。
「末次さんが、早退するなんて、珍しいですね」
第二秘書の浦川くんに、夕方からの指示を出していると、社長が秘書室にやってきた。
「すみません、どうしても外せない用事がありまして…」
「もっと、気軽に有給使っていいんですよ。
仕事も分かってきましたし…」
そういいながら、コーヒーメーカーを操作している。
一休みのため、社長室から出てきたらしい。
内線してくれれば、持っていくのに…
「し、社長!
コーヒー入れます!」
ほら、浦川くんが恐縮している。
『自分のことは、自分でする』
という考え方が染み付いているので、理解するのに、時間がかかったが…
「コーヒーくらい、自分で入れられるよ
浦川くん、夕方からよろしく」
「はいっ!
よろしくお願いいたします!!」
カップを持って社長室に帰っていく後ろ姿に、お辞儀をする。
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