第五章

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名刺を読み上げつぶやく、彼女。 「はい… 少し、お時間よろしいでしょうか?」 伺うように聞くが 、ノーと言われたら、ここでお願いするつもりでいた。 小さくため息をつくと、分かりましたと頷いた。 「ここでは目立つので、どこかお店に入りませんか?」 こちらをじっと見つめている。 理知的な目から、もしかして、今日会社まで来た意味が分かっているのではないかと思った。 彼女が先に、歩いて行く。 会社近くの店らしい。 「ここです」 彼女が示したのは、小さな喫茶店だった。
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