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「これを…」
鞄から、一枚紙切れを取り出し、彼女の前に差し出した。
「受け取って、頂きたいのです」
彼女は、小さいため息を吐き出した。
「受け取れません」
紙切れをスッと、返してきた。
やっぱりね…
と、いう顔をしている。
オレが会いにきた理由が、分かっていたのだろう。
差し出した紙切れは、小切手だった。
いわゆる、手切れ金。
受け取れない、という彼女に、畳み掛けるように尋ねる。
「金額が、足りなかったですか…?」
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